あの人でさえ





焼けつく砂漠を横切る
隊商たちが
辛くもたどりついた
オアシスで
おもわずあげる
歓喜の叫び。
黙々と水を飲む駱駝の
せつない喉のふるえ。
世界のいずこであろうとも
あふれ、流れる
水のあるところ
わが優しい想いも
みちあふれ
憎しみのはてに別れた
あの人でさえ
なつかしい。

井上俊夫詩集『従軍慰安婦だったあなたへ』全編目次へ戻る

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